第5分科会

学ぼう 語ろう 生かそう くらしと憲法
税金・年金・食の安全・環境・平和の問題など

助言者 小沢  浩
     早川 道弘
司  会 箕輪 愛子
記  録 大金 洋子



この分科会に参加した動機、自己紹介から

・ 生まれたときはもう戦争が始まっていて、子ども時代を戦争一色で過ごした。兄はイオウ島で玉砕。遺骨もかえってきていない。終戦の日の青空と赤とんぼをよく憶えておる。「日本国憲法」ができ、学校で「あたらしい憲法のはなし」を学んだとき、「これからずっと未来永劫戦争をしなくてすむ」とうれしかった。
・ 市議。憲法25条が、政策を考えるときの基本になっている。人びとの生活のいろいろなところに関わっていると実感している。親が後期高齢医療制度の対象者。親―医療や生活のこと、自分自身―老後や健康、こども−定職に就けるか。全部の世代をとおして不安をもって生活している。憲法25条を基本にして、この不安だらけの世の中を変えていかなくては。
・ 新座に来てから10年、毎年母親大会に参加している。最近「年金者組合」に入り、自分の活動の幅が広がったように思う。最近は、介護のたいへんさ、若い人の心の病からくる犯罪、何をきいても胸が詰まる、息が詰まる。
・ 憲法に関心がある。自分が小学校の頃、父親には選挙権がなかった。政治には関心がある人だったのに、貧乏人には選挙権が与えられていなかったから。「日本の青空」の試写をみた。女性に初めて参政権が与えられた時、選挙に行ったときの記憶が甦ってきた。
・ 今、いちばん腹が立っているのは「後期高齢者医療制度」。少ない年金から介護保険料が天引きされているのに、今度は高齢者だけを別立てにする医療制度も、年金から否応なしに天引きされることにも腹が立つ。病気もしたので今後が不安。
戦時中は勤労奉仕させられ、ほとんど勉強はできなかった。「あたらしい憲法のはなし」が出たときの喜びが大きかったことを憶えている。

日本の歴史からみた「憲法」の視点で
助言者 小沢 浩 さん


最近腹が立ったことに、沖縄の集団自決の軍関与に関して、教科書から削除させる動きがある。歴史の真実を伝えず、戦争に対して否定的なものは、なるべく隠そうとする行為は絶対に許せない。
国民が憲法とどう向き合ってきたか、歴史の教師としてお話しします。
明治憲法は封建的な憲法と言われているが、この憲法でさえ明治政府がすすんで作ろうとしたものではない。民衆の中に「憲法をつくろう」という気運が広まり、ひとびとは、自分たちの国家像をつくるために、西洋の文献を読み、討論を重ねながら草案を練り上げていった。各地の民権結社や個人による草案(私擬憲法草案)が30種類あがってきた。その中には「抵抗権」「革命権」を明記したもの、法のもとの平等や自由を詠ったもの、アメリカの憲法にならって「主権在民」「基本的人権の保障」を盛り込んだものもあった。その民衆の力に押されてできたのが明治憲法。現在の憲法から見ると封建的な内容ではあるが、江戸時代から比べると前進。前進あるところには必ず民衆の力が加わっていることに確信を持つべき。
第一次護憲運動では「富山の米騒動」で漁民のおかみさんたちが「食べる=生きる」権利を主張。第二次護憲運動では納税の額で決められていた選挙権に対し異議を唱え、男子のみではあるが普通選挙権が認められた。この大正時代の護憲運動により、民主主義が身に付き、それが戦後「日本国憲法」が定着する力になった。
戦後も民間から憲法を作る動きがあり、鈴木安造を中心とするグループをはじめ、民間からも草案がだされ、現憲法に反映されている。民衆がずっと闘ってきた蓄積の上に立っている。
女性の参政権も空気のように与えられたものではなく、長い歴史のなかで勝ち取られたものだということを意識したい。
国会議員は国家公務員。憲法を守らなければならない立場なのに「改憲をいうのはおかしい。

税金の取り方、使い方からみて
早川 道弘 さん


 高齢者は今、先が見えない、心配の固まり。高齢者に限らずこの不安は全体に広がっている。憲法で守られているはずの生きる権利がなぜないがしろにされているのか?
 消費税の導入時の「福祉のため」。定率減税廃止の理由の「基礎年金の二分の一を国庫負担」は大うそである。現実には大企業の減税のために使われている。
 大企業の経常利益合計30兆円。これを国民一人頭に分けると、25万円。4人家族年額100万円になる。どれだけ福祉が充実できるか。
 これに反して、法人税は40%から37.5%、30%と消費税導入、税率アップの度に下げられている。

2008年4月から始まる「後期高齢者医療制度」は

@ 全ての75歳以上の高齢者から保険料を徴収
A 年金額月15.000円(年額18万円)以上の人からは、年金から天引き
B 75歳以上の医療制限
C 保険料1年以上滞納で、保険証取り上げ(資格証明書)
D 70歳〜75歳の医療費自己負担額が1割から2割にアップ
という、高齢者いじめのひどい制度。
高齢者は、老化、長期療養、認知症、避けることのできない死が近い等の「心身の特性」を持っている。これを支援するのが行政の役割ではないか?
 税金の取り方、使い方を正しくしていかなくてはならない。

申し合わせ事項

1、 憲法は、自由民権運動からはじまった長年にわたる民衆の闘いの中から生まれてきたという歴史や生い立ちを、学び広げていきましょう。
2、 女性が参政権を得て60年。この権利を生かし、日本を戦争をする国にする憲法改悪に反対しましょう。
3、 21世紀は女性が主人公
女性よ怒れ、男性も怒れ
4、後期高齢者医療制度を廃止させましょう。

市への要望事項

1.歴史をねじ曲げる、沖縄集団自決の教科書記述を元に戻してください。
2.財政の赤字を庶民増税に求めないでください。
3.最低保障年金制度の創設に努力してください。
4.「ウバ捨て山」政策の後期高齢者医療制度を廃止してください。