第4分科会

生涯現役、高齢期をゆたかに生きる
―いきがい、仲間作り、社会保障―

助言者  小島 美里
       大森 敬藏
司 会   斎藤 せつ
 記 録   藤巻 トキヱ


問題提起

 小島 1990年頃石神で11年間活動してきたが20年前は仕事として関わるということではなく、気軽に手を貸し合っていた。重い障害で一人では暮らせない人たちとボランティアでつき合っていた。そのうちにボランティアでよいのか疑問を持った。
ヘルパーがトイレ介助や生活介助に入りゴールドプラン新ゴールドプランと制度が出来それをフルに使っても夜中、朝、夜、盆暮れ等はボランティアで6年間地道な努力をした。
 そしてヘルパーの資格を取り仕事にしようと西東京で24時間介護をしている施設を参考に活動を続けたが法人格が必要だった。その頃堀の内病院が介護部を設置、往診、訪問介護を始めたのでその部分を担う形で96年4月医療法人社団堀の内在宅介護部門ケアサポートステーションMOMOを開設した。そして97年10月同法人ミニデイホームコスモスの家を開設。2000年介護保険制度がスタート4月に訪問介護事務所ケアサポートステーションMOMO、最大6名の通所介護事業(痴呆専用単独)コスモスの家として指定を発足させたが公的支援はゼロだった。

ミニグループホーム「えん」を設立 
そこへ石神の古い平屋の提供があり多機能グループホーム「まどか」を発足させた。
利用者250名 訪問介護150名 居宅50名
有給スタッフ68名 ケアーマネージャ5名
介護保険の仕組みでは収入は伸びない。職員もなるべく常勤にしたいがとても無理。
劣悪な労働条件の中で職員が働いている。それでも経営は苦しい。

大森 今81歳。加入できる保険は無い、今までの保険も継続できない。生涯保険は保険料が倍になる。妻の介護度は1から2になった。所得税の高齢者控除が廃止され税金は上がり、それにつれて住民税、国民健康保険等様々な公的負担が増えている。庶民の負担増の一方で大企業の株主配当や役員の報酬は増えている。
75歳以上の人を対象に後期高齢者医療制度が始まろうとしているが診療費を減らすことが目的だから庶民の生活は今後ますます厳しくなるでしょう。無年金受給者が100万人を超えていると言われている。若い人たちは年金を受給する歳になったら生活出来る年金がもらえるかとても心配している。最低保障年金の制度をどうするか、若い人が安心して保険料を払えるようでないと・・・・・・
あまり取りこし苦労をせずストレスをためないで知恵と力を出し合いネットワークを密にしていきたい。

話し合い

 うつ病の若い人が増えている。生活保護を申請するとどのくらい就職活動を続けたかを報告しなければならない。日中一人の介護が必要な高齢者に家族がいると家事援助が思うように受けられない。認知症の夫婦の場合は会話が成り立たない。家族は同じ話を何回も聞かされつらくなる。

小島 認知症の人には生活の歴史が背後にある。否定せず受容するしかない。家族会も行なっているが先輩の話が役立っている。

 75歳以降の人に後期高齢者医療制度がはじまる。高齢になると病気になりやすく個人的な医療費も多くなる。その高齢者だけをまとめて別立ての医療制度にするのだから当然保険料が高くなる。受け取る年金は減らされ、長生きは悪いというのか?

 療養型の病院を無くしているが特養は入所待ちが多くなかなか入れず介護者はいくつももの円形脱毛症が出来るストレスを抱えている。

 介護の現場では職員が定着せず慢性的に職員不足。特に夜は9人を1人でみなければならず一人のトイレ介助をしている時にナースコールをされても対応できない。事実上仮眠は出来ない。非常に過酷な職場でそれは入所者に跳ね返る。自分でトイレが出来ていた人に手不足からオムツにしてしまう場合もある。

 介護保険が変わり介護度が下がると利用限度額が減り昼間一人でも家族が同居していれば買い物や家事援助をしてもらえない場合もある。

 市役所に行かなくても気軽に相談できるところが欲しい

記録者 新座市には6箇所の包括支援センターがある。機能させるためにも大いに利用して。

小島 家事援助に様々な運用上の制約があり、単価が低く採算が取れない場合もある。他のサービスの収益でバランスをとっている現状。良心的なサービスを提供するのは身体的にも経営的にも非常に過酷である。コムスンも前の経営者は24時間訪問介護事業を良くやっていた。折口氏に代わってから経営優先で運用その他の不正があった。収益があがる事業ではない。


申し合わせ事項

1、 安心して利用できる介護保険制度や障害者自立支援法なのか制度の動向に注意しましょう。
2、 誰もが取り越し苦労をせず安心して生活できる医療、介護、年金などの福祉制度であるか関心を持ち続けましょう。
3、 介護や医療、看護に関わる人たちが安心して働ける環境がつくられるような制度が出来るよう見守りましょう。
4、 地域福祉の充実のために近隣の人たちとのネットワークを密にしましょう。
5、 地域福祉の核になるよう地域包括支援センターを活用しましょう。

要望事項

1、 高齢者や障害者が安心して生きられる社会保障の充実を求めます。
2、 誰もが安心して生活できる年金制度を早く実現してください。
3、 介護の質に見合った介護職員の処遇が出来る制度を早く整備してください。
4、 長年、医療保険料を支払ってきた高齢者に負担を強いる後期高齢者の医療保険制度を中止してください。